Yumiko Yoshioka’s WS リポート①

10年続いた。続けた。終わりの始まり。

合宿中の寝食の世話は大変だ。三日間workに集中できる力を保持してもらわなきゃいけないから。

大の大人相手に、最大値のケアの視点を持たないと、多分、私のような自己管理が徹底している人間とは縁のなさそうなアクシデントが起きるから。

一日6時間のworkって、私のような短時間集中人間には、果てしなく長い。それでも、リピーターの皆さんがいるってことは・・・それでも、Yumikoが世界中でbody resonance行脚をできるってことは・・・そこにハマる人が必ずいるというわけだ。

何かよく分からないが、『継続は力なり』という言葉が妙にしっくりくる。

FBもTwitterも利用価値があるのか分からない時代に、どうやったら人が集まるのか分からなかった。土地勘のない人間は人間なりに、あの手この手で今で言う【#舞踏#吉岡由美子#Butoh#Yumiko Yoshioka#ダンス】的な広報活動をした。

歴史を振り返っても、#なんてついこの間からあるにすぎない。なのに、SNSの世界ではどんどん#にまとめられる情報が流れている。

だから、ハッシュタグという便利な機能は、あまり今も使ってないし、私やYumikoが今更そういうことはできないだろう。してもバズりはしないし、あってもなくても基礎は揺るがないから。

#ミゼール花岡 #アリアドーネの會

多分まずヒットしない。だけど、白山に毎春、あのミゼール花岡はやってくる。11年前に舞踏家を呼んでWSするなんて、冒険でしかなかった。でも、舞踏家だし。絶対に、舞踏家だし。他の言葉は当てはまらないし。WSの内容はヤサシクできている。舞踏家だとは気付かないかもしれない。だけど、やっぱり舞踏家なの。Yumiko Yoshioka is one of the most famous Butoh-ka.

カウントダウン

もうWSまで一週間となる。2月からよく降る雨と、北風(ただごとではない暴風)と、終わりそうで終わらないスギ花粉と・・・そして今冬2回目の積雪(1cm弱)により、あと一週間なのに重い。

卒業式に桜に、軽やかな春の話題が一気に吹き飛んだ。

先々の天気予報を見ても、どういうわけか暗くなるばかり。

世界のどこかはご機嫌な天気なのだろうと想像して、一日一日先に進んで行こう。

よし、頑張れワタシ! 今日の音楽は何がいいかな~アップテンポでいくしかないのは分かっているの。でも、選曲の段階でつまづいて、多分1時間経ってる。

よし、まずは昼食!

第10回舞踏家・吉岡由美子氏のワークショップ案内

我々のSTUDIOがオープンしたのが2014年春。その一年後の2015年春から、毎年一生懸命開催しております。止めたら楽になるし誰も何も思わないだろうという時もあったのに、続けているということはつまり、命懸けです。

父からの教えで「一つのことを最低10年は続ける」というのがあり、それを「10回」と捉える場合もありますが、どうもこの企画に関しては「10年」と無事相成りました。「十年一昔」であるものの、舞踏家と名乗る方々の根本的な部分が揺らがないので、ひと昔だと感じないのではないかと思います。だから芸術は面白いのでしょうね。

それで今回のフライヤーには、満場一致で(笑)砂漠での写真を選びました。他にも世界中の息をのむほど美しい景色とYumikoの写真はあるんです。劇場作品用に撮った写真とかも、今までも使用してます。でもなんだか今回はPOPに行きたかったんです。七十路の自由を表現したかったんです。

だから会いましょうーーー春に会いましょう

What does ART mean?

20年前に『舞踏xコンテンポラリーダンス』という大きなフェスティバルに参加した。Japan=Butohという世界に興味があったのではなく、私は表現系の踊りや、舞台表現に興味があったのだ。その頃の私にとって、ダンスは多分芸術ではあろうが、そこまでの深さを知っているわけではなかった。(だって、日本育ちだもん!!)

そこでは何やら100名ほどの世界中の人々が、アートとは?みたいな談義を昼夜問わずやっていた。当時、ドイツ語漬けになっていた私は、英語の簡単な単語すら全て忘れていた。唯一残っていたのは、多分、医学系のラテン語系の・・・絶対使う必要のない言葉たち。one two threeですらチンプンカンプンになってしまっていたのだから、アートとは?の問いに興味があると言えるレベルではなかった。

ただ、ずっと美術館巡りが趣味だったし、幼少期から劇場に行くことはあったし、その時点で10年ほどダンスをやっていた。だから、『美術+劇場+ダンス』の場所で(弾痕の残る旧東ドイツの建物と荒野が少しきれいになった風だったが)、極上の時間を過ごせたと今でも思う。

私には、”妹分”と言える7つ下の同志がいる。彼女にとっての私は、先輩母親といったところだろうか。。本当は姉でいいわけだが、どうもお互い本物の姉妹がいるのでそうもいかない感じだ。

その”妹”にいつも、芸術云々をぼやいているのは、彼女が書く人だからだ。そして、多分彼女なら伝わると思うからだ。そしてあわよくば、彼女の子供達にも伝わって行って欲しいと願っている。

その”妹”が昨日、とある新聞の一面、新聞名の書かれた真横に載った『言の葉』を見せてくれた。

『芸術が何かという問いは、人間とは何かということでもある』 by高階秀爾さん

Yo sista!その通り~~~~~あれから20年経って、Artistと名乗る私も、同じ話をしているし、話し続けられたらいいなと思う。じゃあまた近々ね・・一人談義を聴いてくださいな。いつもありがとう。

Be b-boy/girl

2023年の8月はHIPHOP50周年記念のイベントが多く仕掛けられていた。日本の夏では稼働できない私は、その終わったイベントのネット記事に出くわして、ハタ・・私はいったいどう生きているのか?と、僅かに覚醒した。

世の中がパリ五輪だと騒ぎ始めているが、今更パリとは縁は生まれないのだろうし、オリンピック出場に憧れた小学生時代も、もう随分遠い。

それからは、とにかく遅刻でもいいから、一人祝杯を挙げるためのド短期特訓を始めた。とはいえ、30℃を超えるとひっくり返ってしまうような体に、筋肉を被せるのは危険であったので、体調が戻れば出掛けよう!という体ではあった。結局、ぎりぎり戻ったのでモチベーションが上がり、ウキウキしていたのも束の間、前々日には再び熱中症を軽く起こしてしまった。

目的はお祝いであり、戦うのは目的でなかった私は、20年ぶりに見た世界のクレイジーさに身を潜めてしまった。なんだろ、この違和感。なんだろ、この殺気。なんだろ、この子たち。

見慣れたロゴに微笑んだり、レッスンに通っていた時の講師や一緒に受けていたお兄さんに挨拶したら、少しだけ居心地よくなった。しかしまぁ、デジタルサウンドが耳に堪え、レコードノイズがないのが奇妙であり、途中からは耳を塞いで楽しむことになった。

もう時代は変わったんだ、この子たちはスポーツだと思っている。。あぁそうか・・・殺気じゃなくて、試合に勝ちたいっていう強気なのかな?

いやそれでも、10代後半の不良更生の道としてあったHIPHOPが、Breakingで不良になっているではないか・・。あの子もこの子も、ちゃんとお母さんが同伴しているのに、見た目ややっていることも、不良でしかない。teensにもならないような子が、ファッションで不良をやっている。やはり殺気じゃないのか?

私は母であることが滲み出てしまう瞬間もあったが、一応、B-girlという役をやってみた。一言で済ませるなら、疲れました。同世代の仲間がいて、励まし合いながら表現をするなら、モチベーションもぐんぐん上がっただろうな。だけど、成長期真っただ中の子供達が、万年むち打ち症を平気でやっていることに、痛ましい思いしか抱かなかった。

「そこのお母さん!あなたもこのfloorで前回りやってみなさい。動画撮っている場合ではないですよ!

人生長いんですよ。オリンピック!? 冨の象徴、ビジネスですよ。平和の祭典じゃない。

ほら、戦争起きちゃっているでしょ?もういつ終わるのか分からない戦争が・・パリって何?LAって何? 世界大戦中はオリンピックも中止になったのに。オリンピック中は戦争しないってなっているのに。地球温暖化とか、猛暑の真夏の祭典とか、考えれば考えるほど夏季オリンピックなんて厳しいだけじゃない?」

あの場ではとても言えないから、今ここで言っておかないと!

「スポーツ文化は大切だけど、大切にできない国があって・・。成長期の体に富や名誉を期待させるBreaking文化ができあがってて・・。どこにfairnessがあるんだい?」

それでも私は文化交流はしたいし、様子も掴んだので、趣味:B-girlingみたいな感じでまた遊びに行きますね。

で、若者=若武者の姿だけを期待して、遊びに行きますね。thank HIPHOP

濱口新平aka.ポンティ新平が受賞!!

久しぶりに、新平の母代行をしました。アーティストとして作品を観に行くだけじゃなく、息子の晴れ姿を見に行けない実母の代わりの、母。(代行業ではない)

だから、弟二人(元絵描き&学校の枠で苦しみ絵を描かなくなった子)も連れて行って、年の離れた兄の晴れ姿を見届けました。

ギャラリー全体を見てたんだけど、授賞式が始まると、スマフォ構えて新平しか見えてない私=母代行。美味しいところをもらってしまいました。カッコよかったぞ、新平!!

Yumiko Yoshioka’s WS2023 リポート③

常連さんとYumikoとYESE!メンバーは、毎春自分たちの変化を確認し合う。髪がパサパサしてきたり、しわが増えたり、表情の明暗だったり、痩せたり大きくなったりするのを、わいわい確認する。ハグを挨拶にして、色々確認する。カオスの中に身をゆだねながら確認する。

新しい出会いがあれば、初めましてを確認する。お互いを受け容れ認め合う行為だ。挨拶もそこそこに寝込む者がいたら、まるですでに仲間だったかのように心配する。今回は二日目にそんなカオスがあった。一緒に踊れないのは悲しいから、回復を待つ。

そうして積み上げた3日間の濃厚な合宿WSは、かなり爽やかに終わる。その瞬間はとても心地よい。だが今回は、カオスに落ち着かず、料理の写真がない。でも皆で食卓を囲み、♨と🍷でYumikoをいい気分にさせ、新しい学びや発見を語り合った夜があったことを報告する。

Yumiko Yoshioka’s WS2023 リポート②

日本はまだ少し厳しいCOVID-19対策が講じられていたが、長距離移動はかなり自由になっていた。

常連の参加者以外に誰から問い合わせがあるのか、毎回楽しみであり不安がある。メールで丁寧にやり取りする世代と、スマートフォンをおもちゃのように扱える世代では、かなり文面が違う。そうやって問い合わせ頂いた方とメール往復をしている間に、情が芽生え、この人は必ず来るからお迎えしようという気持ちになる。今回は、空から3名の方がいらっしゃる。日本や舞踏への特別な憧れを持たれているのを知れば尚、無人駅に近い状態の駅に、車を確実に横付けしたいと思う。

前日入り予定だった方の国内移動の飛行機が大幅遅延したこともあり、私はその方の対応に追われていた。だが実はWSスタート時点で、その前々日から50代の2名と連絡が途絶えていた。全く分からないと、成田に飛行機が無事に着陸したのかどうかまで、一応確認することになる。渋谷のホテルから10時スタートのWSに間に合うには、なかなかハードなスケジュールで、今時の若者ならきっと10時でもまだ静岡辺りだったかもしれない。ところが、スタートの10時を数分すぎた所で、タクシーが到着した。30年来の日本への熱い愛を持ち続けた大人は、さすがである。根性が違う。あっぱれ!!

そんなわけで、「舞踏とはカオスである」と考える人は結構いると思うが、正にカオスの始まりであった。私はこれを、舞踏の上では、好しとしているので、今思い出しても笑える出来事だった。

Yumiko Yoshioka’s WS2023 リポート①

日本の春は忙しい。4月は年度初めと言って、全国民が合同で襟を正す機会。その前の3月末、年度終わりというのは、実に緩い。皆ボケッとできるし、有給消化でホクホクしている人も多い。

そんな日本国の事情を甘く見、昨年のWSは4月に被せてしまい失敗してしまった。たった一日、されど一日。エイプリルフールであって欲しいと思ったっけ。

そんな私が襟を正す3月末。Yumikoが今年も白山にやって来た!

町内の皆のお気に入りの温泉はclosedとなり、隣町に行くことを了承の上、白山にやってきてくれた!

WSするのに温泉は関係ないのが普通だが、日本帰国は♨のためと言って憚らないYumikoにとって、それは重要事項。なんというか、9回目とはいえ、この企画自体は♨なしでは進行しないのだと再確認した。むろん、♨が嫌いという人は少数派なため、参加者も♨なしでは参加しないと思うようにしている。それほど、ここの美人の湯はレベルが高く、人を呼びたいと思わせてくれるのだ。かくいう私も、最寄り駅に温泉という文字を見つけ、この地に飛びついた一人。温泉文化、万歳!!

※毎夕通う温泉はセクシーじゃなくなったものの、WSとしては大変成功したので安心して読み進めて下さいね。

第9回舞踏家・吉岡由美子氏のワークショップ

毎春開催しております、BODY Resonanceという踊りや身体表現を経験できるワークショップです。

氏は舞踏家として50年を過ごされ、ドイツを拠点に世界中の共振する肉体と魂に出会う旅を続けておられます。

ストリートダンスが日本に入ってきた頃に、大都市でストリートパフォーマンスをやったことがある、それも白塗りで・・という、アングラもアングラなものを、パリに持ち込んだ集団に属されていました。

なので、舞踏を世界の舞台に押し上げた人でもあります。が、日本では舞踏は完全にストリートダンスに立場を奪われていますがね・・・。

今でもアングラ感満載だと思います。それでこそ舞踏なんでしょう。

では、氏が今でもアングラ感をまとっているかと言うと、全くそういったことはないのです。

長い踊り子人生の中で、野口体操やYOGA、ピラティス等、体の使い方を学んでこられ、形に成ったのが現在のこのワークショップですので、(白塗りを期待されている方には申し訳ないですが)気持ちよく踊る機会となります。

ファッションも雰囲気も三重県では完全に浮きますが、温泉に行けば完全に馴染んでいる、Yumiko Yoshiokaの世界観を白山で体験してみませんか?